(株)岩波書店『岩波書店八十年』(1996.12)

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月日 事項 年表種別
昭和3年(1928) 2月5日 岩波講座《世界思潮》刊行開始―全12巻。編集:三木清・羽仁五郎・林達夫。当時雑誌には〈講座〉という名のものがあり、また、その内容を表示して××講座と称した叢書もあったが、この講座のように、発行所名をつけたものは他になかった。岩波書店は、その後なお多くの講座を計画発行したが、この《世界思潮》を第1次として、それ以後の講座は、岩波講座第2次《物理学及び化学》、岩波講座第3次《生物学》...と呼ぶことになった。今日一般におこなわれている〈講座〉という出版の形式、すなわち多数の執筆者の協力を組織して体系的に問題を整理し、分冊出版するという形式も、この講座によって定式化された。(1929.4.30完結)。 岩波書店
昭和4年(1929) 4月1日 《思想》4月号より復刊―従来は岩波書店編集となっていたが、実際には初期のころ和辻哲郎氏、その後高橋穣氏・伊藤吉之助氏等が顧問として編集を指導していた。復刊を機会に編集者を明示することとし、和辻哲郎・谷川徹三・林達夫の3氏が担当した。 岩波書店
昭和25年(1950) 4月 〈少年少女の読み物百種委員会〉を組織―委員:羽仁説子・林達夫・松方三郎・中井正一・光吉夏弥・宮本忍・中野好夫・中谷宇吉郎・吉田甲子太郎・清水幾太郎・吉野源三郎。〈健康な人間らしい情操と識見とをもった人を作り上げるために良い影響を与え得ると信ずる書物〉の選定を目的とし、各界500人の人々に書目の選択を要請、183人の回答を得、約1年を費して100点を選定、その結果を、《図書》12月号に発表した。 岩波書店
昭和46年(1971) 5月28日 平凡社《林達夫著作集》(全6巻)刊行開始。 出版界
昭和49年(1974) 4月1日 小冊子《新選100冊の本―岩波文庫より》作製―新書判56頁、非売品。1961年7月、岩波文庫創刊35年を機に、若い人々の読書の指標たるべく、15人の先生方を選者として既刊書より100点を選ぶことを試み、好評を得たが、その後10数年をへたので、今回改めて100点を選びなおした。新たな選択の結果、前100冊の本の書目のうち54点がいれかわることとなった。選者:内田義彦・大江健三郎・加藤周一・辻邦生・都留重人・鶴見俊輔・寺田透・中野好夫・林達夫・藤沢令夫・益田勝実・松田道雄・丸山真男・湯川秀樹・吉川幸次郎。 岩波書店
昭和50年(1975) 7月11日 《レオナルド・ダ・ヴィンチ マドリッド手稿》(LEONARD DA VINCI CODICCES MADRID)刊―翻刻:ラディスラオ・レティ。日本版監修:下村寅太郎・山田智三郎・摩寿意善郎・小野健一。翻訳:清水純一・谷泰・池田廉・永井三明・裾分一弘・久保尋二。1965年、マドリッド王立図書館の一隅で、原型のまま保存されたレオナルドの自筆原稿2冊、700余頁が発見された。その記述は機械工学・力学・幾何学・光学・流水学から芸術論にわたり、運河の設計からスフォルツァ騎馬像の鋳造、アンギアリの戦いの下絵、遠近法等々に及んでおり、精密なデッサンが随所に描かれ〈万能の天才〉の謎を解く貴重な資料として世界の注目を集めた。この発見は死海写本の発見と併せて〈今世紀最大の発見〉(林達夫氏)と呼ばれた。これを人類共有のものとすべく、アメリカのマグローヒル・インターナショナル社を中心として、その刊行計画が進められていることを知ったのは、1972年秋、フランクフルトでブック・フェアが開かれていた折であった。この2冊の手稿のファクシミリ版の製作、レティ教授によるレオナルド特有の鏡像文字からの翻刻と、その各国語訳、解説から成る全5冊の国際的な共同出版。参加各国が必要とする部数に限定して1回限り印刷され、今後版を重ねることはない。この計画は貴重本のファクシミリ版国際共同出版の基本を創った。トスカーナ方言まじりの15世紀末のイタリア語で記され、しかも科学・技術の用語が定着する以前に、レオナルドが独特の言葉を多様に駆使している原文を日本語に訳し、一定の時間的制約の中で定められたスペースに組み込まねばならない。この計画に参加することは、安易な判断をもっては出来ないことであったが、今日の製版・印刷技術と国際状況が可能とするこの種の国際共同出版の意義を評価して積極的に参加。幸いに、日本版の監修・翻訳に当られた諸氏のご努力によってその困難は克服され、翻訳作業に際しては、翻刻の誤りまで発見された。この国際共同出版には米・英・西・伊・和・独・日の7ヵ国が参加した。岩波版はデラックス版200部、普及版2800部を刊行、国内でも大きな反響を呼んだ。//《マドリッド手稿》の刊行を記念して《図書》6月号を特集号とし、一方〈マドリッド手稿〉刊行記念講演会を7月4日、日経ホールにおいて開催。あわせて〈マドリッド手稿〉資料展を5月26~31日=丸善福岡支店、6月23~28日=丸善京都支店、7月7~12日=丸善大阪支店、7月21~26日=丸善東京日本橋本店で開催。入場者は1万名を超えた。 岩波書店
昭和59年(1984) 4月25日 林達夫氏逝去。 岩波書店
昭和63年(1988) 11月2日 《カセットできく学芸諸家―岩波文化講演会から―》第2集、井上光貞 古代日本と朝鮮/桑原武夫 世界の中の日本文化/竹内好 魯迅を読む/遠山啓 数学とこれからの社会/中野重治 漱石について/中野好夫 このごろ思うこと/林達夫 三つのドン・ファン/湯川秀樹 世界の構造と変化/吉川幸次郎 江戸儒学私見/我妻栄 夫婦の財産、発行。 岩波書店
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