(株)岩波書店『岩波書店八十年』(1996.12)

"芥川竜之介"が書かれている年表項目はハイライトされています。

表示切替
月日 事項 年表種別
昭和2年(1927) 7月24日 芥川竜之介氏自殺―遺書によってその全集の出版は、漱石と同じ出版者すなわち岩波茂雄に托すという遺志が明らかにされた。 岩波書店
11月30日 《芥川竜之介全集》刊行開始―全8巻。編集同人:小穴隆一・谷崎潤一郎・恒藤恭・室生犀星・宇野浩二・久保田万太郎・久米正雄・小島政二郎・佐藤春夫・佐佐木茂索・菊池寛。装幀:小穴隆一(1929.2.28完結)。 岩波書店
昭和3年(1928) 12月 岩波文庫、1928年12月現在発行書目182点、売れ行き不調―はじめ非常に多くの読者を得たので、印刷部数もふやし、全国の書店もこれを歓迎して店頭に飾ったが、必ずしも売れる書目ばかりではなかったため、この時期になって返品が次第に増加し、年末には在庫品がおよそ50万冊を越すに至った。そのほか《芥川竜之介全集》、岩波講座《世界思潮》なども、それぞれ赤字を示し、経営は苦しくなった。 岩波書店
昭和4年(1929) 2月28日 《芥川竜之介全集》全8巻完結(第1回、1927.11.30)。 岩波書店
昭和9年(1934) 10月15日 普及版《芥川竜之介全集》刊行開始―全10巻。(1935.8.15完結)。 岩波書店
昭和10年(1935) 8月15日 普及版《芥川竜之介全集》全10巻完結。(第1回、1934.10.15)。 岩波書店
昭和14年(1939) 1月27日 岩波文庫、芥川竜之介《侏儒の言葉》(1932.8.10刊)次版改訂処分―軍人侮辱の字句があるとされ、さらに2月14日、改訂追加処分があった。 岩波書店
昭和24年(1949) 10月30日 《芥川竜之介作品集》刊行開始―全9巻。編集:堀辰雄・葛巻義敏・芥川比呂志。(1952.4.30完結)。 岩波書店
12月 《図書》12月号〈芥川竜之介特集〉発行。 岩波書店
昭和27年(1952) 4月30日 《芥川竜之介作品集》全9巻完結。(第1回、1949.10.30)。 岩波書店
昭和28年(1953) 9月 岩波映画製作所《文化をになう人々》2集完成―35ミリ、白黒3巻。演出:渥美輝男。1集に撮影されなかった学者・文学者を追加して記録、幸田露伴・芥川竜之介氏など故人の俤も収録されてある。 岩波書店
昭和29年(1954) 11月6日 小型版《芥川竜之介全集》刊行開始―全19巻、別巻1。戦後に試みられた新書判の啄木全集・二葉亭四迷全集に続く新書判の全集であった。(1955.8.26完結)。 岩波書店
昭和30年(1955) 8月26日 小型版《芥川竜之介全集》全19巻、別巻1完結。(第1回、1954.11.6)。 岩波書店
昭和33年(1958) 2月 筑摩書房《新中学全集》(全20巻)、同《芥川竜之介全集》(全8巻、別巻1)、同《講座現代倫理》(全12巻)刊行開始。 出版界
昭和52年(1977) 7月13日 《芥川竜之介全集》刊行開始―全12巻。編集:吉田精一・中村真一郎・芥川比呂志。1927年7月24日、芥川の死後、氏の遺言によってその年11月、岩波書店は全集8巻の刊行を開始した。その後、1934年10月から《普及版全集》10巻を、1949年10月から《作品集》9巻を、また1954年4月からは《小型版全集》20巻を刊行してきた。今回歿後50年を記念して新版の全集を編むに当って、過去の実績を踏まえながらも、新たな視点から、小説・評論・随筆をあわせて編年順に再編集し、校訂を一新して芥川文学の全体像を明らかにすることに努め、前回までの全集に未収録の資料も収録した。造本は今日稀覯の書とされている第1回菊判全集の風格を再現した。(1978.7.24完結)。 岩波書店
昭和53年(1978) 7月24日 《芥川竜之介全集》全12巻完結(第1回、1977.7.13)。 岩波書店
昭和57年(1982) 5月20日 《芥川竜之介全集》1977年版第2次刊行開始―全12巻。(1983.4.20完結)。 岩波書店
9月 単行本25冊を一括して復刊・重版―岩波書店の単行本は既刊書目が多く、そのすべてを常備することは困難であるので、今後毎年、9月・2月の時期をえらび、一括して復刊・重版することとした。書目一覧―野上豊一郎 能―研究と発見/同 能の再生/同 能の幽玄と花/シロコゴロフ 北方ツングースの社会構成/深井英五 枢密院重要議事覚書/遠山・安達 近代日本政治史必携/山本正秀 近代文体発生の史的研究/ホブズボーム 市民革命と産業革命/加藤周一 現代ヨーロッパの精神/村岡典嗣 本居宣長/土橋寛 古代歌謡と儀礼の研究/前田河広一郎 蘆花伝/夏目鏡子 漱石の思ひ出/小宮豊隆 中村吉右衛門/同 芭蕉の研究/杉浦正一郎 芭蕉研究/斎藤茂太 茂吉の体臭/葛巻義敏 芥川竜之介未定稿集/小尾郊一 中国文学に現われた自然と自然観/斯波六郎 中国文学における孤独感/吉川幸次郎 支那人の古典とその生活/ヴェルフリン 美術史の基礎概念/田中喜作 浮世絵概説/長田新 ペスタロッチー教育学/留岡清男 教育農場五十年。 岩波書店
昭和58年(1983) 5月27日 《岩波文庫101》発売―若い人々のために、岩波文庫から選りすぐりの古典的作品82点101冊に、新しくカバーをつけて発売した。各冊分売であるが、全冊をセットとして合計定価3万5650円で販売、そのセットには特装読書手帖1冊をそえ、またカバーに印刷されているシール10枚で、特製ブックカバーを進呈した。同時に全書目に解説を付した小冊子《岩波文庫101》(新書判48頁、非売品)を作製、読書指導の手引きとして全国の中・高希望校に贈った。//書目一覧―森鴎外 ウィタ・セクスアリス/夏目漱石 吾輩は猫である全2冊/田山花袋 東京の三十年/島崎藤村 破戒/樋口一葉 にごりえ・たけくらべ/泉鏡花 高野聖・眉かくしの霊/寺田寅彦 随筆集全5冊/志賀直哉 小僧の神様/石川啄木 ROMAZI NIKKI/芥川竜之介 羅生門・鼻・芋粥・偸盗/宮沢賢治 風の又三郎/太宰治 富嶽百景・走れメロス/与田準一編 日本童謡集/伊藤整 近代日本人の発想の諸形式/中原中也 詩集/小堀杏奴 晩年の父/小熊秀雄 詩集/魯迅 評論集/郭沫若 歴史小品/老舎 駱駝祥子/知里幸恵編訳 アイヌ神謡集/ソポクレス オイディプス王/シェイクスピア ヴェニスの商人/スウィフト ガリヴァー旅行記/ブルフィンチ ギリシア・ローマ神話/ラフカディオ・ハーン 怪談/サキ傑作集/オーウェル評論集/マーク・トウェイン 不思議な少年/ビアス いのちの半ばに/オー・ヘンリー傑作選/フーケー 水妖記/ヘルマン・ヘッセ デミアン/シュテファン・ツワイク マリー・アントワネット全2冊/ベルトルト・ブレヒト ガリレイの生涯/モリエール タルチュフ/ラ・フォンテーヌ 寓話全2冊/スタンダール 赤と黒全2冊/デュマ 三銃士全2冊/ジョルジュ・サンド 愛の妖精/ルナアル にんじん/ロマン・ロラン ベートーヴェンの生涯/ゴーゴリ 外套・鼻/ドストエーフスキイ 罪と罰全3冊/トルストイ イワンのばか/ガルシン あかい花/チェーホフ 可愛い女・犬を連れた奥さん/ハイヤームルバイヤート/倉野憲司校注 古事記/芭蕉 おくのほそ道/一茶俳句集/町田嘉章・浅野建二編 日本民謡集/杉田玄白 蘭学事始/巌本善治編 新訂海舟座談/福沢諭吉 新訂福翁自伝/中江兆民 三酔人経綸問答/内村鑑三 後世への最大遺物・デンマルク国の話/大杉栄 自叙伝・日本脱出記/細井和喜蔵 女工哀史/柳田国男 遠野物語・山の人生/和辻哲郎 古寺巡礼/橋本進吉 古代国語の音韻に就いて/日本戦没学生記念会編 きけわだつみのこえ/吉野源三郎 君たちはどう生きるか/金谷治訳注 論語/金子大栄校注 歎異抄/タキトゥス 年代記全2冊/アーネスト・サトウ 一外交官の見た明治維新全2冊/コロンブス航海誌/E.S.モース 大森貝塚/柴田治三郎編訳 モーツァルトの手紙全2冊/プラトン ソクラテスの弁明・クリトン/マルクス・アウレーリウス 自省録/ルソー エミール全3冊/ヒルティ 眠られぬ夜のために全2冊/H.ブラッドリ 英語発達小史/ヴェーゲナー 大陸と海洋の起源全2冊/ポール・ド・クライフ 微生物の狩人全2冊/イェーリング 権利のための闘争/J.S.ミル 自由論/エンゲルス 空想より科学へ/M.ウェーバー 職業としての学問。 岩波書店
昭和62年(1987) 6月3日 《芥川竜之介小説集》刊行開始―全6冊。歿後60年にあたり、100篇余の作品を新しい視点から6冊の小説集に編んだ。同時に文芸カセット《芥川竜之介作品集》全5巻セットをNHKサービスセンターとの共同企画により作成した。朗読者は滝沢修、米倉斉加年、樫山文枝、新田昌玄、奈良岡朋子、梅野泰靖、伊藤孝雄。 岩波書店
PAGE TOP