(株)岩波書店『岩波書店八十年』(1996.12)

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昭和32年(1957) 5月6日 《日本古典文学大系》刊行開始―全66巻、索引1巻。監修:高木市之助・西尾実・久松潜一・麻生磯次・時枝誠記。戦後の新しい教育や時代思潮の影響で、日本の古典が若い人々にとって疎遠なものになりつつあること、しかも新たな時代を迎えて伝統に対する再評価がますます必要になって来ていることを考え、日本の文学古典を国民に親しみやすいものとして伝えるため、新しく構想された叢書である。しかし、単にやさしい普及版という形式でこの目的を達成することは不可能であり、むしろ厳密な校訂・精緻な注解をほどこして、標準的なエディションを作りあげると同時に、一方において表記や段落等に原作を傷つけざる懇切な工夫を施して一般の読者に親しみやすいものとすること、また注解に正確綿密を期することが正しい方針であると認められ、この方針が採用されることとなった。表記法において本文のかな書きを必要に応じて漢字にすること、句読点・改行・会話における「」等を使用することなどがその工夫であったが、その場合にも、底本とした原典の原型が常に確認できるように配慮された。以上の方針を決めた後、まず最初に30数冊を選定、それぞれの底本を検討し、その注解者を選衡、執筆の要綱をさだめたが、それだけでも、20数回の会議を重ね、一年余の時日を要した。古典の性格によって注解の施し方も一様でないため、執筆開始に先だって、何頁かのサンプルを求め、特にこの大系のための原稿用紙を作製したが、その型も20余通りを用意せねばならなかった。岩波書店の出版企画中、この企画ほど事前の準備に手をかけたものは例がなかった。それにも拘らず、執筆の段階に入ると、各執筆者の学問的良心は、いやが上にも厳密を期することとなり、進行の予定はしばしば狂い、いったん組上げた組版を組みかえるというような事態も生じ、進行は困難を極めた。しかし、この努力によって、国文学者・国語学者・歴史学者・仏教学者・中国文学者等、広汎な専門家の協力による比類なき日本古典の出版が達成された。また、印刷・造本の技術においても今日における最高の水準を示した。発売とともに大きな反響をよび、最終巻まで6年間読者の変らぬ支持を得た。(1963.4.5完結)。全巻購読者に索引(1963.11.20刊行)を贈呈。 岩波書店
昭和39年(1964) 4月6日 《日本古典文学大系 第二期》刊行開始―全34巻索引1巻。監修:高木市之助・西尾実・久松潜一・麻生磯次・時枝誠記。同大系の第一期は約6年半の日子を費やして本巻66冊が1963年4月5日に完結、索引を同年11月20日に刊行した。しかし企画の当初から、日本文学の代表的古典を66冊に限定することには困難があり、他日を期して割愛した著作も少なくなかった。ここに第二期の刊行を企画し、再び監修の諸先生を煩わしてあらためて34冊を選定した。この第二期の特色は、書目を狭義の文学作品に限らず、漢詩文、歴史文学、仏教の法語・法話、思想家の文藻、評論などにまで範囲を拡大したことにある、これによりわが国の文学の多面的展開が再現されることとなった。(1967.3.31本巻完結。1968.2.5《索引》刊行)。 岩波書店
昭和54年(1979) 9月9日 麻生磯次氏逝去。 岩波書店
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