(社)大日本蚕糸会『日本蚕糸業史. 第3巻』(1936.02)

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業界;製品 古今絹織物繊維の横断面(一) 写真、名称 太子間道 摘記 推古時代(聖徳太子)今より千二、三百年以前の絹織物なり。 現代のもの(写真参照)に比して意外に太き感あり、更に奈良方面より多数の標本を得て調査する予定。//名称 獅鳳文錦 摘記 白鳳時代のもの、今を去る千二百年以前、その模様より観て、支那北方より伝来したらんといふ。(太田氏説) 繊維の断面に特色あり、家蚕にはあらじと推察さる。//名称 天平錦(画帖) 摘記 天平時代即ち今より約千百年以前、聖武の頃のものなり。前者に比して繊維の断面可なり大きく、繭形・飼育法等の変化を想像せしむるものあり。//織物名称 東大寺裂(折本) 摘記 時代は鎌倉末期より南北朝時代のもの、前者に比して著しく細きは興味あり、伝来(渡来)せるものにあらざるか、更に多くの材料によりて昔を知るを得べし。//名称 嵯峨裂 摘記 足利奉上殿唐へ注文せしものなりといふ。 巻頭
業界;製品 古今絹織物繊維の横断面(二) 写真、名称 大蔵裂 摘記 支那明時代のもの、当時唐へ注文して織らしめしものなりといふ。断面より見て支那品なりと認めらる。//名称 江戸和久田 摘記 今より約五百年以前に支那より輸入せしもの。 断面によりてその特色を認め得べし。//名称 癸模様(能衣裳) 摘記 時代は江戸初期、こは内地にて製織せるものといふ。原料品は果して内地品なるか、断面より見て、在来種と思はるゝ節多し、興味ある品なり。//名称 欧洲ビロード 摘記 江戸時代(初期にスペインより輸入せるもの、欧洲種の特色としては明かなり。されど支那種と幾分の差あるは認め得る品なり。多数につき調査の上にて定むべきなり(切口に大小ありて、二種の生糸の混合と思はるゝふしあり)//名称 モール裂 摘記 徳川時代に印度方面より渡来せるものなりといふ。断面の形より見るに原料品を支那より輸入せるものにあらざるかを想はしむ。尚多数につきて調ぶべきものなり。 巻頭
業界;製品 古今絹織物繊維の横断面(三) 写真、名称 青木間道 摘記 時代は江戸の頃、バグダツトより渡来せるものなりといふ。現在のバグダツト種なるものと、如何なる関係ありや興味あるものなり。//名称 印金秋草(小袖) 摘記 江戸中期の唐織といふもの内地製織なりといふ。原料品は如何や当時の事情も調べたる上判定すべきものなり。//比較対照(一) 現今の生糸断面 春白(沈) 十四中//比較対照(二) 現今の生糸断面 初秋、白(沈) 十四中//比較対照(三) 現今の生糸断面 晩秋、白(沈) 十四中 巻頭
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