(株)岩波書店『岩波書店八十年』(1996.12)

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昭和40年(1965) 7月1日 《大航海時代叢書》刊行開始―全11巻別巻1。監修:会田由・飯塚浩二・井沢実・泉靖一・岩生成一。従来使われていた〈地理的発見の時代〉にかえ、今回、新しく〈大航海時代〉という名称が叢書名に選ばれたのにはそれなりの理由があった。第二次大戦後の世界史の新たな動向をうけて、〈日本人を含めて非ヨーロッパ世界の住民は15~17世紀になって初めてヨーロッパ人に発見された客体にすぎないのか〉との根本的な疑問が提示されるようになった。本叢書の編纂意図は、この〈問題の世紀〉に焦点をあわせ、ヨーロッパを中心に描かれた従来の世界史像を、全面的に検討しなおす作業を一歩進めようとするところにあった。叢書が対象とした200年間は、まさに当の世界史像が形成される起点に位置していた。ここに選び出された全11巻の史的記録は、すべて〈大航海時代〉が生み落した古典的な作品であり、それらが蔽う地域も日本を始めとして、中国、東南アジア、インド、アフリカ、ラテン・アメリカの各地に及んでいる。本叢書は未開拓な学問領域であったため、編纂の作業過程もまた試行錯誤の連続であった。信憑性のあるテクストの選定からはじまって、訳出・校訂に伴う辛苦はもとより、注釈上の労苦は当初の予想をはるかに超えるものがあり、刊行開始から完結までにほぼ5年の日子を費やさざるをえなかった。ここで特筆すべきことは、最終稿をつくり上げる過程でみられた語学者と歴史学・人類学・地理学などの諸専門家との〈学際的〉協力が行われたことである。特に最終巻の《大航海時代年表》をはじめ、叢書の編纂作業には増田義郎氏をわずらわすことが多かった。なお、叢書刊行以来〈大航海時代〉という呼称が一般化し、世間に定着した。1979年6月から《大航海時代叢書 第II期》全25巻が刊行されるに伴い、本書では本叢書を《大航海時代叢書 第I期》と称する。(1970.10.15完結)。 岩波書店
昭和46年(1971) 10月28日 会田由他編《大航海時代叢書 全11巻別巻1》、第25回毎日出版文化賞特別賞、曽田範宗《摩擦の話》(岩波新書)、毎日出版文化賞受賞。 岩波書店
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