(株)岩波書店『岩波書店八十年』(1996.12)

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月日 事項 年表種別
昭和33年(1958) 10月 《国書総目録》の刊行決定―1939年に着手した国書解題編纂の事業は、全国の図書館・文庫・個人の蔵書を悉くカードに採取、そのうち約10万点につき解題を付して五十音順に配列、順次刊行する計画で、戦争中に一応カード採取の作業を終り、とりあえず第1巻を刊行すべく印刷の工程に入ったが、東京空襲に遭って挫折し、カード100万枚を急遽信州に疎開して戦禍から守った。戦後カードは信州の疎開先から戻ったが、当時の印刷・出版の事情は直ちにこの大事業を再開することを許さず、数年を経過した。その間各方面の学者からこの事業の中絶を惜しむ声があがり、せめてこのカード100万枚を整理し、国書目録として公刊するようにという希望がしきりに伝えられ、かつこの事業の発端から中心となって努力した梅徳氏が専念してこの仕事に従事し得るようになったので、1957年《国書解題》の計画を《国書総目録》の計画に切替えて、その準備を進めることになった。ところが、翌1958年梅氏が急逝し、カードそのものについても、さらに補充を要することが発見されて事業はますます厖大となり、その完成の容易ならざることが判明した。しかし過去10余年の歳月と莫大な費用を投じ、その意義も重要なこの仕事を放棄することは忍びがたいことであったので、再びこれを検討した上、岩波書店として正式にその継続を決意し、編集部を強化して完成に努めることになった。従来もこの仕事に参加尽力された市古貞次・森末義彰氏のほかに新たに堤精二氏が加わって編纂を指揮されることになった。国初以来明治維新までの間に、日本人によって著作された一切の書目を収め、約50万項目に及ぶ計画である。(後1962年1月に至り、翌1963年が岩波書店創業50周年にあたるので、その記念事業としてこれを出版することに決定)。 岩波書店
昭和38年(1963) 11月18日 《国書総目録》刊行開始―全8巻。編集:森末義彰・市古貞次・堤精二。本目録刊行の経緯については、本書443頁1958年10月の項にゆずるとして、この総目録は、国初から慶応3年に至る間に、およそ日本人が著作し、編纂し、翻訳した一切の書物の総合目録である。収録書目は50万、その書目ごとに冊数、分類名、著訳編者名、成立刊行年、写本・版本の別を記し、所蔵する図書館・文庫名を明記して、目録とはいえ簡潔に解題の基礎要件をも示したものである。1939年、〈国書解題〉として発意したこの計画は、戦争をはさんで実に25年の歳月を経て漸く結実した。岩波書店にとっては創業以来最大の出版であった。岩波書店創業50年の記念出版として刊行を開始した。(1972.2.25全8巻完結、のち《著者別索引》を1976.12.14刊行)。 岩波書店
昭和51年(1976) 12月14日 《国書総目録 著者別索引》刊―編集:森末義彰・市古貞次・堤精二。本書は、明治以前のあらゆる書籍50万を記載する《国書総目録》の著者別索引として、著述家6万名を見出し項目とする一大人名辞典。著者別に書名を掲げ、著編訳画などを注記し、成立年をも付することにより、全著述家の総合著述一覧として広く活用されるとともに、《国書総目録》が一層使い易いものとなることを期して《国書総目録》全8巻の完結後、4年半の歳月を費やして完成をみた。 岩波書店
昭和58年(1983) 10月20日 創業70年記念出版《日本古典文学大辞典》刊行開始―全6巻。監修:市古貞次・野間光辰。編集:秋山虔・大久保正・大谷篤蔵・久保田淳・佐竹昭広・信多純一・堤精二・中村幸彦。本辞典の対象は上代から近世末に至るいわゆる古典文学の範囲であるが、狭義の文学にとどまらず、旧来かえりみられることの少なかったノンフィクションやローカルな著作にも注目し、また、国語学はもとより、芸能・美術・歴史・思想等々、隣接諸学との関連を重視した。編纂開始以来10余年、市古・野間両氏監修のもとに各界の専門家800余氏が執筆、収録項目は1万3000、この種の辞典としては最大の規模であり、文学史の域をこえて、文化史・思想史にわたる総合辞典の観を呈する。(1985.2.20完結。1986.12.21冊本簡約版刊行)。 岩波書店
昭和61年(1986) 12月2日 《日本古典文学大辞典》簡約版刊行。市古貞次・野間光辰監修、秋山虔・大久保正・大谷篤蔵・久保田淳・佐竹昭広・信多純一・堤精二・中村幸彦編集。さきに刊行した《日本古典文学大辞典》はゆるぎない評価を得ているが、全6巻という厖大なものであるため、簡便で低廉な辞典を望む声が寄せられた。この要望に応え、項目を選りすぐり、解説は省略することなく、手頃な大きさの一冊本とした。 岩波書店
平成2年(1990) 3月8日 《日本文化総合年表》刊行―編集:市古貞次・浅井清・久保田淳・篠原昭二・堤精二・堀内秀晃・益田宗・三好行雄。古代から現代までを一貫し、学問や宗教や美術・芸能・演劇・文学など文化全般にわたる、最新の総合年表。1988年までを収録、詳細な総索引を付す。信頼できる典拠にもとづき正確を期した。 岩波書店
平成5年(1993) 11月1日 《国書人名辞典》刊行開始―全5巻、編纂:市古貞次(監修)・堤精二・大曽根章介・堀内秀晃・益田宗・篠原昭二・久保田淳・揖斐高・市古夏生。『国書総目録』全8巻に収めた著編者のうち、伝記の判明するもの全て約3万名を収録。最も信頼できる資料と最新の研究成果にもとづき、生没・名号・家系・経歴について正確・簡明に記述し、全著作と主要な参考文献を掲載した。古代より幕末までの、あらゆる分野と階層におよぶ人々を集大成した。未だ類書を見ない総合的人名辞典である。創業80年記念出版。 岩波書店
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