(株)岩波書店『岩波書店八十年』(1996.12)

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月日 事項 年表種別
昭和29年(1954) 7月26日 《広辞苑》最後の仕上げのため伊豆山惜櫟荘に社員15人が出張、9月10日に終了―新村出氏の《辞苑》は戦前博文館より刊行、終戦後まもなくその改訂版の出版が岩波書店に申込まれ、岩波書店は前出版権者と諒解をとげてそれを引受けた。当初の計画では、直ちに製作に着手、戦後の辞書欠乏の急に応じる予定であったところ、この辞典が百科の事項・人名等についての説明を含む特殊な辞典であり、戦時中の改訂では戦後の激変した社会事情に適合しないことが発見され、爾来、これを新しくするための改訂事業が、新村氏と岩波書店との協力によって推進され、前後7年余を経てようやくこの頃完成に近づいた。よって岩波書店は最後の仕上げに着手、とくに適任の社員を選んで惜櫟荘に出張、ほとんど連日連夜の作業をつづけてこれを完了した。この段階に大野晋氏その他の協力を得て、基本語についての新しい解釈を加えたことも、この辞典の特色となった。 岩波書店
昭和49年(1974) 12月25日 《岩波古語辞典》刊―編集:大野晋・佐竹昭広・前田金五郎。この辞典は、記紀・万葉の上代から、芭蕉・西鶴・近松の近世に至る古典文学にあらわれる主要語彙を網羅し、従来手薄であった中世・近世関係の文献をも広く渉猟して厖大な語例・文例を採集し、典拠を示して一語一語の意味・用例を的確に説くとともに、他の語とのつながりを明らかにするように努めた。特に基礎的な語については、十分な紙幅をあてて詳述し、語義の展開を体系的に示した。また動詞は終止形でなく連用形によって見出し語とし、語源を同じくする語は一括して解説するなど、合理的な編纂の方法により、また随所に創見に満ちた問題提起を行った。この企画は、1955年《広辞苑》完成の年に発議され、以来20年、編集の3氏がすべての原稿を自ら執筆し、相互検討の末に成ったもので、共著というのがふさわしい。 岩波書店
昭和51年(1976) 11月8日 岩波講座《日本語》刊行開始―全12巻別巻1、編集:大野晋・柴田武、日本語とは何か、繰り返し論議されながら、しかし自国語に対する日本人の認識は必ずしも十分とは言い難い。この講座は、日本語の内部構造を体系的に記述するだけでなく、さらにそれを包み支える社会的・文化的背景に新たな光を投ずることによって日本語の全体像を把握し、国民の知的共有財とすべく企画された。国語学・言語学の総合をめざしたこの試みは、多くの読者に迎えられた。(1978.3.28完結)。 岩波書店
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