(株)岩波書店『岩波書店八十年』(1996.12)

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月日 事項 年表種別
昭和6年(1931) 5月27日 岩波文庫、河上肇・宮川実訳《資本論》、河上肇訳《賃労働と資本》《労賃・価格および利潤》の3点廃刊を宣言(5月28日、東京日日新聞)―全国書店にて販売中のものも即時引き上げ、在庫品をあわせて約10万冊を廃棄した。《資本論》は全34冊を短期間に完結する予定で刊行を開始したものであるが、訳者河上氏の事情により第5分冊以後継続不可能となって2年間経過した。この間5社連盟版《マルクス・エンゲルス全集》刊行挫折の件をめぐって、河上氏との間が円滑を欠いていた際、河上氏訳《資本論》が改造社版《マルクス・エンゲルス全集》に収められるという話が伝わり、これを聞いた岩波茂雄は、河上氏と今後著者対出版者として交渉をつづけることをいさぎよしとせず、廃刊の処置をとったのである。後年、河上氏の歿後に至り、岩波は、河上氏が生前岩波にはすまなかったと知人に語っていたことをきき、感情のわだかまりが全く氷解した。 岩波書店
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