(株)岩波書店『岩波書店八十年』(1996.12)

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月日 事項 年表種別
昭和25年(1950) 12月25日 《岩波少年文庫》創刊―戦前、岩波書店は叢書《少国民のために》と並んで少年文学の叢書を計画し、豊島与志雄・中野好夫氏等の指導の下に着手、一部分は校正の段階にまで仕事を進めたが、戦争と共に用紙の割当を拒まれて実現の運びに至らなかった。戦後その計画を再興し、石井桃子氏の参加を得、新たに書目を選定してこの叢書を創刊したのである。世界児童文学の古典を正しく移植すること、現代各国の児童文学の新鮮な傑作を紹介すること、兼ねて在来の日本の翻訳児童図書の杜撰さを改め、正確で美しい日本語の定訳を作ることが、この叢書の覘いであった。普及を願って小型・廉価版とした。 岩波書店
昭和32年(1957) 11月 岩波少年文庫クリスマスプレゼント用セット作製―選者:中野好夫・石井桃子・国分一太郎・宮原誠一。男女児別に各3冊、15組。 岩波書店
昭和36年(1961) 9月18日 《ドリトル先生物語全集》刊行開始―全12巻。第1次大戦中、著者ロフティングの塹壕生活における空想から生まれた〈ドリトル先生の物語〉は、ユーモアに富んだ清新な児童文学として第1次大戦後世界的な声価を得、著者は次ぎ次ぎに同じ主人公による物語を書いて一つのシリーズを成すに至った。わが国では石井桃子氏が着目、1941年井伏鱒二氏の訳文ではじめて《ドリトル先生アフリカゆき》を紹介、第2次大戦後《岩波少年文庫》に収められるに及び、井伏氏の訳文の魅力もあずかって非常な評判を得、原作のシリーズ中6篇が紹介された。この叢書は、なお未紹介のものを加えて、原作シリーズ全部を井伏氏ひとりの訳により、その独得の挿絵と共に残りなく紹介する試みであった。子どもだけでなく、おとなの愛読者も多く、児童図書の単独の作家全集としては、異例の成功であった。(1962.7.13完結)。 岩波書店
昭和45年(1970) 7月20日 《ファージョン作品集》刊行開始―全6巻。翻訳:石井桃子。ファンタジーの大家エリナー・ファージョンの代表作を選んで訳出。(1975.11.26完結)。 岩波書店
昭和51年(1976) 5月5日 ファージョン作、石井桃子訳《ファージョン作品集》全6巻、儀間比呂志作《鉄の子カナヒル》(岩波の大型絵本)、第23回サンケイ児童出版文化賞受賞。 岩波書店
昭和57年(1982) 6月18日 《クマのプーさんえほん》刊行開始―全15冊。文:A.A.ミルン、絵:E.H.シェパード、翻訳:石井桃子。1940年、石井桃子氏の訳で初めて日本に紹介されて以来、クマのプーさんは多くの人々に愛され、永く読みつがれてきた。《クマのプーさん》《プー横丁にたった家》から選んだ話に、彩色されたシェパードの美しい挿絵をそえて、15冊の絵本のシリーズとなった。(1983.2.15完結)。 岩波書店
平成5年(1993) 3月 石井桃子氏が児童文学者としての業績にたいして日本芸術院賞を贈られる。 岩波書店
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