(株)岩波書店『岩波書店八十年』(1996.12)

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月日 事項 年表種別
昭和8年(1933) 5月20日 《続福沢全集》刊行開始―全7巻。これはさきに時事新報社から刊行された《福沢全集》全10巻(1925.12.~1926.10.)のあとを受けて編纂されたもの。太平洋戦争後に岩波書店から刊行された《福沢諭吉全集》全21巻があらわれるまでは、この正続2集が福沢先生の唯一つの全集となっていた。(1934.7.5完結) 岩波書店
昭和11年(1936) 7月18日 岩波文庫、福沢諭吉《文明論之概略》(1931.5.30刊)次版改訂処分―皇室に関する記事による。 岩波書店
昭和22年(1947) - 前年より連合軍最高司令部民事検事局命令にもとづき事前検閲を受けた際一部削除された書目には下記のようなものがある//滝沢敬一《フランス通信》、山田勝次郎《米と繭の経済構造》、羽仁五郎《明治維新》、天野貞祐《道理の感覚》、野呂栄太郎《日本資本主義発達史》、斎藤茂吉《つゆじも》、田中耕太郎《教育と権威》、岩波茂雄〈岩波新書刊行の辞〉〈岩波全書刊行の辞〉、福沢諭吉《福翁自伝》、野村吉三郎《米国に使して》、プライス《近代民主政治》、アンデルセン《お話と物語集》、徳冨健次郎《みみずのたはこと》、内村鑑三《後世への最大遺物》、尾崎咢堂《回顧漫録》、小宮豊隆《夏目漱石》、安倍能成《自然・人間・書物》、ベーベル《婦人論》、内田清之助《渡り鳥》、大塚弥之助《山はどうして出来たか》、小倉金之助《日本数学史》ほか数点。 岩波書店
昭和26年(1951) 5月1日 《福沢諭吉選集》刊行開始―全8巻。監修:小泉信三。編集:富田正文・土橋俊一。福沢先生の思想を系統的に理解しうるように、主要テーマによって巻別を分ち、各巻ごとに、それぞれの題目に関連ある代表的著作(既刊の正続両全集所収のもの)を集め、これに若干の新資料を加えて8巻とした。また、7人の福沢研究家に依頼して各巻の解題を付し、文献に関しても比較的詳細な解説を加えた。この選集に先きだち、岩波書店は福沢先生ほどの思想家について未だに完全な全集が存在せず、打捨てられていることを遺憾とし、戦後の事業としてぜひ完全な全集を刊行したいと願って、終戦後まもなく小泉信三氏に御相談したが、当時の事情では編纂・校訂だけでもなお幾年かの準備を必要とし、かつ製作・出版に関しても容易ならぬ困難が予想されたので、とりあえず富田正文・土橋俊一氏を中心に編纂・校訂の事業だけを進め、刊行は一応他日を期することとし、その編集事業の準備をも兼ねて、まずこの選集の刊行に着手したのである。したがって、この選集の印税と利益とを挙げてこの準備事業に献げる方針で原価計算を行ない、定価を定めた。(1952.11.15完結)。 岩波書店
昭和27年(1952) 11月15日 《福沢諭吉選集》全8巻完結。(第1回、1951.5.1)。 岩波書店
昭和33年(1958) 12月1日 《福沢諭吉全集》刊行開始―全21巻。監修:小泉信三。編集:富田正文・土橋俊一。福沢先生の全集が不完全のままに置かれていることを遺憾とし、その完全な全集を刊行したいとは、戦後直ちに思いたった計画の一つであったが、当時まだその条件が熟さず、止むなく富田正文氏を中心とする校訂・編集の事業に協力することとし、その目的を兼ねて《福沢諭吉選集》を刊行した。(1951年5月1日の項参照)。その後、富田氏の編纂事業は慶応義塾に継承され、資料も同大学図書館に所蔵されていた。1958年が同塾創立100年にあたり、その記念事業として福沢先生の全集の刊行が具体化するに及び、改めてその発行が岩波書店に托され、岩波書店としてもここに積年の希望を達成し得ることになった。校訂・解題は富田正文・土橋俊一両氏の努力の結実であり、装幀・印刷・造本において、岩波書店も最大の努力を注いだ。(1964.2.20完結)。 岩波書店
昭和39年(1964) 2月20日 《福沢諭吉全集》全21巻完結。(第1回、1958.12.1)―慶応義塾創立100年にあたる1958年刊行を開始した本全集が完結した。監修者の小泉信三氏の文章の中に次の一節がある。〈刊行遅延の主なる原因は、本全集に採録せらるべき新資料の発見が意外の多量に上つた一事である。福沢の死後六十年にしてなほかく予想外に多くの未知資料が本全集に加へられたことは当事者として大きい喜びではあつたが、他面、当初の予想の十分周密でなかつたことに対しては不明の譏りを甘んじて受けねばならぬ〉。しかし新資料の探索は本全集完結後もつづけられ、のち1969年10月開始された第2次刊行にあたっては、全21巻に加え別巻1冊を追加することとなった。 岩波書店
昭和40年(1965) 5月18日 富田正文氏、《福沢諭吉全集》の編纂校訂注解により第55回日本学士院賞受賞。 岩波書店
昭和44年(1969) 10月13日 《福沢諭吉全集》第2次刊行開始―全21巻別巻1。本全集の第1次刊行は1958年12月から1964年2月までに行われた。このたび慶応義塾の発意により再刊を決定。初版以後新たに《金銭関係諸記録》《子女幼時の記録》その他書簡等が発見されたため、別巻《補遺》を加えることになった。(1971.12.24完結)。 岩波書店
昭和55年(1980) 11月28日 《福沢諭吉選集》新書型特装版刊行開始―全14巻・編集:富田正文・土橋俊一。福沢諭吉の《選集》は、すでに1951年5月からB6判8巻を刊行したが、その後、1958年12月からの《全集》全21巻および1969年10月からのその第2次刊行全22巻の成果をふまえて、ここに新たな選集が編集された。諭吉の代表的著作百余篇を選び、主題別に体系的に編成し、原典の表記はそのままとしながらも、ふりがなを多く付け、句読点を整えて、読み易い形で彼の思想の全容を把握できるよう配慮をつくした。(1981.12.23完結)。 岩波書店
昭和56年(1981) 7月7日 渡辺蔵相、新紙幣発行(1984.11.1)を発表。図柄福沢諭吉・新渡戸稲造・夏目漱石。 内外事情
9月10日 石河幹明《福沢諭吉伝》全4巻予約限定復刊。 岩波書店
12月23日 《福沢諭吉選集》全14巻完結。(第1回、1980.11.28)。 岩波書店
昭和58年(1983) 5月27日 《岩波文庫101》発売―若い人々のために、岩波文庫から選りすぐりの古典的作品82点101冊に、新しくカバーをつけて発売した。各冊分売であるが、全冊をセットとして合計定価3万5650円で販売、そのセットには特装読書手帖1冊をそえ、またカバーに印刷されているシール10枚で、特製ブックカバーを進呈した。同時に全書目に解説を付した小冊子《岩波文庫101》(新書判48頁、非売品)を作製、読書指導の手引きとして全国の中・高希望校に贈った。//書目一覧―森鴎外 ウィタ・セクスアリス/夏目漱石 吾輩は猫である全2冊/田山花袋 東京の三十年/島崎藤村 破戒/樋口一葉 にごりえ・たけくらべ/泉鏡花 高野聖・眉かくしの霊/寺田寅彦 随筆集全5冊/志賀直哉 小僧の神様/石川啄木 ROMAZI NIKKI/芥川竜之介 羅生門・鼻・芋粥・偸盗/宮沢賢治 風の又三郎/太宰治 富嶽百景・走れメロス/与田準一編 日本童謡集/伊藤整 近代日本人の発想の諸形式/中原中也 詩集/小堀杏奴 晩年の父/小熊秀雄 詩集/魯迅 評論集/郭沫若 歴史小品/老舎 駱駝祥子/知里幸恵編訳 アイヌ神謡集/ソポクレス オイディプス王/シェイクスピア ヴェニスの商人/スウィフト ガリヴァー旅行記/ブルフィンチ ギリシア・ローマ神話/ラフカディオ・ハーン 怪談/サキ傑作集/オーウェル評論集/マーク・トウェイン 不思議な少年/ビアス いのちの半ばに/オー・ヘンリー傑作選/フーケー 水妖記/ヘルマン・ヘッセ デミアン/シュテファン・ツワイク マリー・アントワネット全2冊/ベルトルト・ブレヒト ガリレイの生涯/モリエール タルチュフ/ラ・フォンテーヌ 寓話全2冊/スタンダール 赤と黒全2冊/デュマ 三銃士全2冊/ジョルジュ・サンド 愛の妖精/ルナアル にんじん/ロマン・ロラン ベートーヴェンの生涯/ゴーゴリ 外套・鼻/ドストエーフスキイ 罪と罰全3冊/トルストイ イワンのばか/ガルシン あかい花/チェーホフ 可愛い女・犬を連れた奥さん/ハイヤームルバイヤート/倉野憲司校注 古事記/芭蕉 おくのほそ道/一茶俳句集/町田嘉章・浅野建二編 日本民謡集/杉田玄白 蘭学事始/巌本善治編 新訂海舟座談/福沢諭吉 新訂福翁自伝/中江兆民 三酔人経綸問答/内村鑑三 後世への最大遺物・デンマルク国の話/大杉栄 自叙伝・日本脱出記/細井和喜蔵 女工哀史/柳田国男 遠野物語・山の人生/和辻哲郎 古寺巡礼/橋本進吉 古代国語の音韻に就いて/日本戦没学生記念会編 きけわだつみのこえ/吉野源三郎 君たちはどう生きるか/金谷治訳注 論語/金子大栄校注 歎異抄/タキトゥス 年代記全2冊/アーネスト・サトウ 一外交官の見た明治維新全2冊/コロンブス航海誌/E.S.モース 大森貝塚/柴田治三郎編訳 モーツァルトの手紙全2冊/プラトン ソクラテスの弁明・クリトン/マルクス・アウレーリウス 自省録/ルソー エミール全3冊/ヒルティ 眠られぬ夜のために全2冊/H.ブラッドリ 英語発達小史/ヴェーゲナー 大陸と海洋の起源全2冊/ポール・ド・クライフ 微生物の狩人全2冊/イェーリング 権利のための闘争/J.S.ミル 自由論/エンゲルス 空想より科学へ/M.ウェーバー 職業としての学問。 岩波書店
昭和59年(1984) 11月1日 日本銀行、15年ぶりに新札発行。1万円札(福沢諭吉)、5000円札(新渡戸稲造)、1000円札(夏目漱石)の3種。 内外事情
昭和62年(1987) 10月23日 《馬場辰猪全集》刊行開始―全4巻。編集:西田長寿・萩原延寿・川崎勝・杉山伸也。明治10年代、中江兆民・福沢諭吉らと交流の深かった馬場辰猪は知識の啓蒙と民心の改革に奮闘し、自由民権の精神を宣明したが志破れて、亡命の地で没した。この〈不幸なる先覚者〉の歿後100年、多数の新資料を発掘し、これまで知られることの少なかった思想家の全貌を明らかにする。(1988年9月完結)。 岩波書店
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