(株)岩波書店『岩波書店八十年』(1996.12)

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月日 事項 年表種別
昭和61年(1986) 10月7日 社長緑川亨、日本出版社代表団に参加、ソ連訪問。 岩波書店
昭和62年(1987) 2月10日 社長緑川亨、中国商務印書館創立90周年記念式典に出席(2月14日帰国)。 岩波書店
昭和63年(1988) 5月31日 第39回定時株主総会開催―低迷を続けてきた売上げが、前期比7.2%増となった。岩波文庫創刊60年及び岩波新書創刊50年の記念長期キャンペーンを行ったことが、売上げ増に結びついた。加えて単行本、児童書、辞典等の恒常部門、CD-ROM、カセットテープ等が、着実に進展した。配当1割2分。取締役任期満了につき改選の結果、取締役会長に岩波雄二郎重任、取締役社長に緑川亨重任、専務取締役に中島義勝重任、常務取締役に石崎津義男重任、常務取締役に関谷盛男・安江良介新任。取締役に杉山文三重任、取締役に禰寝尚武・寺島敏郎新任。常務取締役志賀直吉退任。//定款の一部を変更した―第2条業務の目的に2項の後に次の3項目を加え、従来の3項を6項に変更。(3. コンピュータの販売 4. ニューメディアに係るソフトウェアの製作・販売 5. 不動産の賃貸) 岩波書店
10月24日 社長緑川亨、ワシントンでひらかれた日米文化教育会議に出席のため渡米。(10月31日帰国)。 岩波書店
平成元年(1989) 5月25日 書籍協会、'90年フランクフルト・ブックフェア〈日本年〉イベントの企画委員長に、社長緑川亨を選任。 岩波書店
平成2年(1990) 5月12日 社長緑川亨、フランクフルトへ出張。この年のフランクフルト・ブックフェアは《日本年》に当り、緑川社長はその企画委員長として、記者会見等に出席するため。 岩波書店
5月31日 第41回定時株主総会開催―売上高は前期比0.3%の減となった。消費税の導入によって出版流通の各レベルで大きな混乱が生じ、そのため当社は重版の在庫出品に著しい停滞があった。〈同時代ライブラリー〉を創刊。《仏教辞典》《岩波科学百科》《日本文化総合年表》は好評を得た。配当1割2分。取締役任期満了につき改選の結果、取締役会長に岩波雄二郎重任、取締役社長に安江良介新任、専務取締役に石崎津義男新任、常務取締役に関谷盛男重任、取締役に杉山文三・禰寝尚武・寺島敏郎重任、取締役に西川秀男・大塚信一新任、取締役相談役に緑川亨新任。専務取締役中島義勝は退任。 岩波書店
6月1日 社長交替に当り、新・旧社長の退・就任の挨拶状を発送。//(前略)私、このたびの当社定時株主総会を機に、積極的な世代交替による更なる社業の発展をはかることを願い、代表取締役社長を辞任し、取締役相談役に就任いたしました。過去12年にわたる社長在任中、出版界の多様な変動に対応し、小社創業の志を枉げることなく現在に到ることができましたのも、皆々様の格別の御懇情によるものと存じ、謹んで御礼申し上げます。後任社長には前常務取締役安江良介が就任いたしました。私に頂戴した御指導、御支援と同様の御厚誼を賜りますようお願い申し上げます。(後略)岩波書店取締役相談役緑川亨//(前略)私、このたび緑川亨社長の取締役相談役就任にともない、後任として代表取締役社長に就任いたしました。経験も浅い若輩の身に余る大任でございますが、岩波雄二郎会長はじめ全役員と力を合わせ、書店全員の意欲を結集し、創業以来七十七年の社業を守り、これを発展させるべく、微力を尽す所存でございます。大きな変動の時代を迎え、出版の事業が負う役割はますます大きいものがあると存じます。なにとぞ一層の御指導御鞭撻を賜りますよう、謹んでお願い申しあげます。(後略)岩波書店取締役社長安江良介 岩波書店
10月3日 〈フランクフルト・ブックフェア〉開催(~8日)。90ヵ国、約8400出版社・38万点。(日本115出版社・団体・1万点)。本年の公式テーマ〈日本年〉(JAPAN:Then and Now)。//日本は日本書籍出版協会・出版文化国際交流会が中心となり、業界をあげて1年がかりの準備を行い、報道・広告・印刷業界各社の積極的協力を得て参加した(実行委員会委員長服部敏幸)。その展示・企画行事28種を、見本市開催の6日間をはさんで9月1日から11、月25日まで、コングレスハーレその他市内・外の施設で開催、出版交流はもとより、ひろく日本の伝統文化と現在を紹介するヨーロッパで初の大イベントとなった(企画委員長緑川亨)。//その内容は、ドイツ語版・英語版・対訳版の3種の〈日本年〉行事プログラム、日本年プログラム日程(会場地図案内)などで告知され、また各種の図書目録も作成された。//〔展示〕Japan:A History in Books/Japanese Books Today 1990/Japanese Publishing and High Technology。//見本市会場の〈日本館〉で展示され、会期7日間で8万人を超える入場者があった。メインの〈本で見る日本の歴史〉展には、日本に於ても一堂に見ることができない日本文化史上の遺物・文化財の数々が出品され高い評価を得た(それらはカラー写真を入れ、大冊の限定英文出品目録にまとめられた)。//〔シンポジウム〕(1)「世界の転換期と文学表現―ドイツと日本」(9月30日)司会=大江健三郎、パネリスト=M.エンデ、C.ハイン、A.ムシュク、古井由吉、中上健次、津島佑子。(2)「日本文学はヨーロッパにとって何を意味するか」(10月3日)司会=J.ベルント、佐伯彰一。パネリスト=K.コリノ、I.キルシュネライト、E..マイ、S.シャールシュミット、W.シャモニ、大江健三郎、古井由吉。(3)「新しい世界秩序を求めて」(10月6日)//司会=H.シュミット、副司会二宮崎勇。パネリスト=V.ハウフ、K.リントホルスト、M.ショトルペ、宮沢喜一、坂本義和、堤清二。//〔文学対談〕G.グラス、大江健三郎、公開対談(10月4日)//〔連詩の会〕大岡信、谷川俊太郎、G.エッカルト、U.ベッカー、福沢啓臣、E..クロツペンシュタイン(10月3~7日)//〔ミュージック・シーン―伝統と新風〕~伝統楽器と舞踊と声による日本の現代音楽~(10月2日アルテオパ)音楽監督一柳慧 観世栄夫他出演。//〔その他〕シアター日本の美「四季・色・かたち」/世界の日本関係図書展/日本図書の海外翻訳出版目録/現代演劇「奴婢訓」/歌舞伎公演/日本のブックデザイン展/日本の現代書道展/バークコレクション展/クラクフ博物館所蔵浮世絵展/ジヤパニーズ・アート・シーン1990/現代日本のポスター展/土門拳写真展/坂本龍一コンサート(他)//「〈日本年〉は大きな盛り上がりのうちに終了した。展示も企画も充実した内容であった。ただ一方では〈日本は文化の特殊性を強調しすぎではないか〉との声も聞かれた」(朝日新聞・10月21日)。//なお、この開催に約15億円の費用がかかった。 出版界
平成4年(1992) 5月29日 第43回定時株主総会開催―この期の売上は、前期を26.0%上回った。特筆すべきことは、「広辞苑第四版」の刊行とそれに関わる販売戦略の展開である。営業的に大きな売上を計上するとともに、岩波書店のイメージを広い読者層に強く印象づけることができた。国際環境年に向けての国際共同出版「地球を救え」の刊行と、ナショナル・ジオグラフィック協会との提携による「地球〈発見〉ブックス」(全7巻)を出発させた。この期に発足した主なものは「宮崎市定全集」「寺田寅彦全随筆」「井上靖歴史紀行文集」「遠山茂樹著作集」「阿部昭集」「安岡章太郎随筆集」「幕末御触書集成」である。刊行点数は624点で前期より23点増、重版は300点増え、4033点となった。配当1割2分。//取締役任期満了につき改選の結果、取締役に今井康之新任、緑川亨、杉山文三両取締役が退任、その他重任。取締役会において互選の結果、取締役会長に岩波雄二郎重任。取締役社長に安江良介重任、専務取締役に石崎津義男重任、常務取締役に禰寝尚武新任。 岩波書店
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